口腔の健康を図ることは、多くの全身の病気を防ぐことにつながることから、健康寿命を延ばしたいという国民的な課題に応えることができるとともに、健康経営的にも医療費の適正化に貢献します。すなわち、口腔の健康の訴求は全身の健康の第1歩となるのです。
一方唾液は、全身を表す鏡であり、口腔を外的要因から最前線で24時間防衛する最上位の生物科学的生体因子です。この唾液の機能を考慮することが、全身の健康を支える重要な要因であるにもかかわらず、唾液を介した健康維持の重要性は周知されておらず、国民への啓発や研究の推進はこれからです。
そこで当法人は、唾液の健康促進効果を科学的に明らかにし、臨床応用する一連の取り組みの推進や唾液健康産業を育成することで、国民の健康維持増進に向けた取り組みを飛躍的に進めることを目的としています。特に、企業、行政、大学関係者、市民等が、お互いに研鑽を積みネットワークを構築していただく機会としても意義があると考えております。
2021年に設立した日本唾液ケア研究会ですが、法人化後3年の月日がたち、これまでの活動の再評価が必要な時に来ました。その背景の中で大きな決断となったのが学会化です。2025年度からは日本唾液ケア科学会として、役割を果たしてまいります。特に、唾液ケア認定制度を開始し、強力に人材育成の推進を目指します。
どうぞ、国民の健康増進に貢献するため、唾液学の進歩と唾液による健康効果の普及と唾液検査の社会実装にお力をおかりしたく、何卒ご協力を衷心よりお願い致します。