このたび、NPO法人日本唾液ケア科学会（以下、本法人）では、新たに唾液ケアに関する認定制度を開始する運びとなりました。この制度の創設により、唾液検査や唾液ケアの重要性を広く社会に普及させるとともに、信頼性の高い検査と質の高いケアを提供できる専門人材の育成を目指してまいります。

唾液は、口腔環境を維持するだけでなく、全身の健康とも密接に関わる重要な要素です。しかし、唾液の重要性については、一般の方々はもちろん、専門家の間でも十分に認識されていないのが現状です。また、唾液検査は簡便であると考えられがちですが、精度管理が十分でないまま活用されているケースも多く、適切な評価やケアにつながらない場合も少なくありません。こうした課題を解決するためには、信頼性の高い検査方法の普及と、それを的確に運用できる専門家の存在が不可欠です。

本法人が創設する認定制度は、単に資格を認定して証明書を交付することを目的とするものではありません。本制度を通じて、皆様を唾液検査と唾液ケアの分野で活躍する臨床研究集団の一員と位置づけ、この未開拓の分野をともに切り拓いていくという使命感を共有していただきたいと考えています。本制度における学びと実践を通じて、唾液検査や唾液ケアの標準化を進めるとともに、口腔から全身の健康に寄与する具体的な成果を社会に還元していきましょう。

私たちは、唾液の力を引き出し、「楽しく食事をする」「笑顔で会話する」「健康に歌う」といった生活の質の向上を目指す取り組みを推進しています。認定制度を通じて、より多くの方々が正しい知識と技術を習得し、地域医療の現場を支える人材として社会に貢献できることを期待しています。

認定制度の開始にあたり、皆様には、これまでのご経験や知見を生かして、私たちの活動をさらに発展させる力となっていただければ幸いです。引き続き、本法人の活動へのご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。